約40人の産婦人科医で組織する「日本のお産を守る会」が9月16日から開始した署名活動が、9月28日午後6時の時点で約7000人分に達しました。短期間でこれだけの数が集まったのは、この問題の大きさの表れでしょう。
この署名活動は、この10月からスタートする、「出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度」を関して、長妻昭・厚生労働大臣に対応を求めるものです。詳細は9月16日付の当コーナーおよび医療維新の記事(『 「出産育児一時金直接支払い制度」で緊急要望』)をお読みいただきたいのですが、新たな制度では、出産した妊婦に代わって、医療機関が出産一時金等を国保連等に、通常のレセプト請求と同様に請求することになります。結果的に出産一時金等に相当する収入の入金が1-2カ月遅れ、資金繰りに支障を来す医療機関が出てくるため、問題視されています(厚労省のホームページはこちら)。
こうした動きなどを受け、今日(9月29日)、長妻大臣が何らかの対応策を講じることを表明する見込みです。9月16日の取材時点で厚労省保険局総務課は、特段の対策を講じる予定はないとしており、大きな前進です。
本件については、日本産科婦人科学会・医療改革委員会委員長の海野信也氏(北里大学産婦人科教授)らが、長妻大臣に直接説明しています。添付はその際の資料に、最新の情報を含めて修正したもの。
神奈川県では、9月17日に分娩を行う施設向けの説明会が開催されています。その会場で新制度の影響について調査を実施したところ、回答37施設中、18施設で総額約8億円、単純平均では1施設当たり約4444万円の融資が必要という結果です。「大学病院など、産科以外の診療科が多く、全体収入に占める産科収入の割合が低い医療機関は、収入が減るものの、何とか耐えることができる。その一方、分娩に特化している施設ほど、影響が大きい」と海野氏。
事態は好転しそうな状況ですが、「日本のお産を守る会」では当初の予定より延長し、9月30日までは、署名活動を行っています(詳細はこちら)。「長妻大臣が動くのであれば、署名活動は意義を失うわけだが、新制度への反対の意思表示を行った人の数は多いほどいい」(同会代表の田中クリニック〔京都市右京区〕院長の田中啓一氏)。